学びの扉(鍋島分)講評 (火5、金5合同)

 

全体にやや課題を軽視してるのではないかという印象を受けました。私の伝え方が悪かったのかも知れませんし、みなさんの熱意や能力に制限があるのかもしれません。ただ、そのような中できちんと取り組んだ人とそうでない人とは差がついたことと思います。

 

出席簿に記載されていて鍋島分のレポートが提出されていなかったのは以下の番号の人でした。なお、14日に提出されて遅すぎたため カウントしないものが一件(花柄のエプロンに顔に「まま」と書いてあるかわいいママの漫画)と、四角のメトロン君で名前の書いていないものが一件ありました。後者の方はコーディネーターの小林先生に直接連絡して、宿題にどのようなものを書いたか伝えてください。

 

06-

23, 38, 162, 210, 235, 341, 371, 444, 482, 516,537,553,705, 780, 810, 828, 845 873,931,964

 

課題は、以下のようなものでした。

1.メトロン君の新たなストーリーを作成。漫画があればなお可。

2.メトロン君の例に関連付けて言語表現とその意味一般について簡単に論ぜよ。

 

まず、前半だけで後半のない人がいました。これは十分ではありません。

次に、1の例の意味の説明をしただけの人が多かったです。「言語表現とその意味一般」と書いていますので、少なくとも、一般論として論を進めることが必要です。内容や議論の正しさはどうあれ、まず、「言葉の意味とは」というスタンスで課題に取り組んで欲しいところです。

 

そういった中で、言語一般の説明に取り組んでいるかどうか、用いられた用例がユニークでよく考えられてあるか、面白いかという視点で検討しました。最優秀者は以下の通りです。なかおあいさん、なかむらまゆこさん、にしぐちゆみさん、にしざわはるかさん、うえむらりょうさん、おかべこうすけさん、かんだなおきさん、こたにかんなさん、ひおきりささん、ほりぐちみささん、まつもとあつみさん、たけもとたかやさん、しらかわさきさんです。

 

目が点の宇宙服型メトロン君をかいてくれたなかおさんの例では、「お米を研いでおいて」といわれたメトロン君が全部とぎ石で粉末にしてしまいました。「メトロン君がお米をすべて研いだせいで、お米はすべて粉になったので今晩のメニューは「フォー」になりました。」というト書きがすごく笑いました。フォーがいけてます。なかむらさんは「お鍋を見ておいて」という例。怒りに炎のイメージを加えわかりやすくする、とメタファーの機能について論じていただきました。にしぐちさんのラブリーなメトロン君は、野菜を洗って「水を」一生懸命「切ろう」としています。「目には見えないものをまるで実際にあるもののように表現することによって人の気持ちなどを上手く表現する」というメタファー論はよく的を得ています。にしざわさんのメトロン君にはひげが生えてますね?「手を貸す」「タクシーを拾う」と用例は普通ですが、「手を貸す、足を貸す、耳を貸す、胸を貸す」など慣用句と意味に関して重要な考察をしています。うえむらさんはNOVAうさぎとオバケのQ太郎を足したようなメトロン。「パソコンを切る」という発話から「結びついているものや続いているものを分かち離す」と理解し、その状況下えきれるものと言えばパソコンとそれを動かしている電源とのつながり、という風に理解できるという解釈のモデルを提示していただいています。おかべさんは、「目に焼き付けるんだよ」から「からだを張ったカンニングだね」という「兄」のボケたツッコミがいい味だしてます。また、「恣意的」「五感」「イメージ」と難しい議論を展開していただいています。短い課題なので詳細はわからないですが、正しい方向性のように思われます。かんださんの「あたまをひねる」メトロン君はターバンを巻いたみたいでややいただけませんが、「ぞうきんをしぼる」みたいにない知恵を絞る感じにつながるという言及は興味深いです。こたにさんは後半部分でお笑い芸人のネタの話をあげていただき、

 

外国人の少年 「この前のカラオケ楽しかったねー」

少年の友人 「お前、かなり浮いてたでぇー」

 

で後ろのスクリーンにその外国人の少年がカラオケルールで中に浮いている写真が映し出されたという興味深い話を紹介していただきました。少年の頭の中の世界がスクリーンに映し出されるという手法も面白いですし、宇宙人、外国人、その言語に慣れていない人が言葉の理解に奇妙なイメージを浮かべながらだんだんに慣れていく様を考えるのは楽しいですね。その意味では私達も子供のころからそういった奇妙なイメージを浮かべながら、だんだんに鳴れて言ったに違いないのですし。

 ひおきさんはショッピングセンターで「車を向こうでとめてきてくれ」といわれたメトロン君がお約束でくる車全部止めてしまって駐車場が大パニックになるという話です。停めると止めるは漢字は違いますがもとは同じ意味という直感はありますね。また論述も、この用例の説明から言語にはイメージ、経験が重要としっかり一般化されています。

 ほりぐちさんはかきなれた感じの絵で、「もう一皿欲しいわ」という夕飯準備のママさんを助けて、奥の部屋でろくろを回しているメトロン君のボケが無邪気で好感が持てます。言語には視覚、触覚などのイメージが大きく関係するというコメントもうなづけるものです。

 まつもとさんは絵がすごく洗練されていてよくできています。「手」の意味の拡張について述べていただいているのもしっかり考えられている感じがしました。

 たけもとさんのメトロン君はハリウッドし出演、オスカー男優並みの名演技を披露したものの、監督の「カーット」の言葉を聞いて、自らを切り刻み始めるという話。日本語でも覚束ないのに英語はなおさらわかりませんよね。また、業界用語について説明して頂いた点も他の人と異なりユニークな視点でした。言語の使用と意味の観点からは重要な問題です。

 最後にしらかわさんですが、お姉ちゃんに「このCDMDに入れといて」と頼まれて本当に入れてしまうメトロン君。よい用例を選びましたね。丸に毛が三本のメトロン君はやや手抜きに見えますが。

 

以上です。その他優秀回答は、よこくらさん、のだひとみさん、たむらせいやさん、たぶちゆりさん(顔を貸せといわれて顔面を脱ぎ始めるメトロン君の絵がかわいいです)なかたにはるかさん、なかにしゆうこさん、にしむらまささん、にしもとかずおさん、ますいあやのさん、よこやまもえさん、あまいけこうすけさん、あらきまりこさん、うえはらしほさん、ひやまめぐみさん、いながきちかさん、かわだきょうこさん、きしもとりえさん、もりゆみえさん、おおたみほこさんでした。

 

名前がでないからといって悪いという意味ではありませんので心配せずに。なお、優秀作品はインターネットに載せるなどを考えていますので載せて欲しくない人、返却して欲しい人は鍋島までご連絡ください。

 

それではよい夏休みを!

 

鍋島